あとがき 〜ほらもうじきさ、苦い青春グッドバイ〜


 普段はあとがきなんて書かないのですが、今回は企画ものということで、セルフ総括みたいなのをやってみます。

 まずは、こんな無鉄砲な企画にお付き合いいただき、キャラを貸してくださった38名の中の人たちに多大な感謝を。そして、にもかかわらず諸事情により作品のアップに時間がかかってしまったことに謝罪を。
 熱も冷めるぞっつう時間の経過っぷりで、10万ヒットの企画というタイムリー的な美味しさも逃してしまいましたし、応募してくださった方のサイトが閉鎖したり休止したり移転したり、という状況の中、少しは焦ったりもしましたが、もともと企画が無謀なので、とにかく最後まで書くことに意義があると考え、焦っても仕方ないサと自分を励ましながら、ここまでたどり着きました。

 今回の制作過程としては、まずキャラが揃った時点で、大体年齢別にわけて、いくつかの舞台を決めて、その人物相関図というものを作りました。こんなのです。はっきりいってこの作業がいちばん楽しかったし、やりがいがありました。こんなことをやりながら、「じゃあ、人と人との関係というものをテーマにしようかな」とぼんやりと思いつつ書き始めました。

 自分の中から生まれてこないキャラ想定で書くのはとても楽しかったです。応募してくださった38人の中には、何度も一緒に遊んでいる友達から、以前からサイトを拝見させていただいていた人、また、本当にメールに書かれただけしか情報のない人もあり、そういう格差も含めて、遊びを多く残したマジメな作業となりました。
 ストーリーの要となったのが、(1)あまり自分から他人には興味を持つことが無い草平くんが人との関係について考える物語、A瀬名くんと別れたくないのに別れると言ってしまった奈々さんが素直に瀬名くんに会いにいくようになるまでの物語、Bとにかく童貞を卒業することで頭が一杯の優希くんが意外にもプラトニックな自分に目覚めてしまう物語、という三本柱で、それにいくつかの関係性を加えることで、3つの物語が交わるように書いたのですが、書いているうちに本筋じゃないところに思わず力が入ってしまったり、そのために書こうと思っていたことが上手く書けなかったりということは多々ありました。また、物語を書くことでいっぱいいっぱいで、表現や手法にまったく構う暇がなかったのも、大変お恥ずかしい。正直、読みにくい部分もかなりあるのではないかと思います。
 そんなわけで、作品についての悔いはたくさん残っていますが、今回はこれまで。このような企画を再びやるかどうかはわかりませんが、今までだったら「絶対できない」と思っていたことをやったということは、少なからず今後の活動のバネにはなると思います。きっと、きっと。だから、それでいいのです。

 ちなみに、タイトルとなっている「Peach Time」は、私の敬愛する岡村靖幸さんの曲から頂いておるわけですが、その岡村靖幸さんがこの8月に活動復活ということで、もういっそトリビュート小説!(というにはあまりにもおこがましいが)くらいの気持ちで、間に合わせるように書き上げました、という裏もあったりします。
 ちなみに、人の台詞や設定などにもこの歌からのエッセンスを散りばめており、歌を聴いてみると「あ、こんなところに岡村節が!」みたいなのもあって、楽しめるかもしれません(怒りたくなるかもしれません)。

 さて、中の人(登場人物)になってくださった皆様へ、それぞれ一言ずつメッセージを書かせていただきますので(リンクもはりなおす)、役柄が気に入らなかった方も登場が少なくて多少お怒りの方も平等な愛を感じていただけますと幸いです。


(登場順に)

草平さん(1,3,7,9,11,12,14,16,18,20,21話)
一番控えめなプロフを書いてきた草平さんを、物語の主軸に置いてしまいました。一番客観的で「語り部」的な役割になりそうだと思ったからなんですが、主人公というよりは、それぞれの世界をつないでしまう因縁の存在みたいな感じになってしましました。割と心外だったらごめんなさい。

ねむさん(1,16話)
名前は一杯出てきたのに、本人はあんまり出ていないという役まわりですみません。書き始めてから第一話を発表するまでの間に実際に会ってしまったので、実はあの後、設定や内容をどんどん書き直したりしたんですよ。やっぱり、人って会ってみると全然印象って変わるものですな。

あんじさん(1,12,19,20話)
気がついたらムードメーカー的な役まわりになってました。でも本当にあんじさんの存在感は、物語の進行上、ずいぶん助かりました。いろいろお世話様でした(?)。でも、実際私の友達にいそうなタイプだなあと思うので、とてもリアルに想像しやすかったです。

川崎さん(1,7話)
バイト先の男子でいちばんジミになってしまいました……。当初の予定では、もっともっとキャラ前面に出して、バイト先の人間関係あたりもちょっとドロドロに、面白く絡ませたいと思っていたのに…ごめんなさい。かなり悔やまれます。 川崎さんをもっと書きたかったー!

瀬名さん(1,3,7,8,9,12,19,20話)
もともと、とにかくモテのイメージが強いと思っていた人だったので、その路線で遊び人のイロモノな役にしようと思ってました。が、話が進んでいくうちに私自身も意外な方向に、ちょっと情けない男という感じになってしまいました。でもこういう男もモテだと思います。思います。

あやこさん(1,12,16,19,20話)
プロフかなりしっかり書いてくださったので、物語にしやすかったです。そのために、ちょっと切ない恋愛をさせてしまった面もあるのですが。途中で貰った感想にも、「あやこの恋の行く末が気になる」という声があったりしました。なんか応援したくなる人だなあ、と思ってます。がんばれあやこー!

芹沢音子さん(1,7話)
面白く書けそうな良いキャラを持っていると思い、設定段階ではいろいろと考えていたのに、話がそれてしまって思うように書けませんでした。ああん、ごめんなさい。これはもう完全に私の力量不足です、ほんと。物足りなさを感じたら、怒ってください。ごめんなさい。

藤宮さん(1,16話)
なんとかご要望には最低限お答えしたわけですが……ちょっとイロモノ系のキャラとして使ってしまいましたね。イメージ的には、場を和ませるタイプの人だと思ってるんですが、あんまり上手く使いこなせてない気もするので、不快になっていなければ良いのですが。

チヨさん(1,16話)
も、藤宮さん同様で……こういう役どころは意外に思われたかもしれません。でも、以前から「なーんか、誰にでも可愛がってもらえそうな人だなあ」というイメージでサイト拝見してました。そういうあたりも反映してるのです。不快になっていなければ良いのですが(二度目)。

田辺智さん(1,16話)
せっかくプロフに面白い話を書いてもらったというのに、そこんとこを全然活かしきれませんでした。素で、一番私や周りにいそうなタイプに近いと思ったので、もっと使いようがあったはずなのに、私ってバカ……? なんかもう本当、平謝りです。本当にごめんなさい。

岡崎奈々さん(2,5,10,13,18,20話)
物語に対する具体的な希望が一番はっきりとあったので、使わせてもらいました。かなり書きやすかったです。ただ、ご希望通りになったかは、かなり怪しいのですが。ちょっとつらい恋愛をさせてしまいましたが、こういう恋愛モノはいかがでしたでしょうか?

ユカリさん(2,13話)
登場回数は大変少ないのですが、まあ、日ごろお世話になっているのでという意味も込めて、非常に良い役どころになっていただきました。きっと皆うらやんでます(ってすごい押し付けがましい)。でも私の中のユカリさん像は本当にあんなイメージです。

伊勢さん(3,14,21話)
プロフが大雑把で大変男らしかったので、思わず惚れそうでした。こういうキャラはどんな場合においても必要ですね。どうとでも動いてくれるし、頼れるし。 というわけで、少ない情報ながら割とキャラ使わせてもらいました。心外かもしれませんが……。

優希さん(3,6,8,9,12,15,17,19,20話)
これはこれで、独立したラブコメものを書けたら面白かったのではないかというキャラ設定でした。というか、優希シリーズは書いていていちばん楽しかったです。物語では最後まで童貞を卒業できないままですが、実際の椎名さんは二児の父というのが、笑えるというか笑えないというか。

ゆうしんさん(3,17話)
キャラ全然活かしきれなくて、ごめんなさい。設定段階では、もっといろいろ言わせたりやらせたりする予定だったのに、なぜか高校生チームの物語がどうも「大勢で盛り上がる」方向に行けなかったです。やっぱりラブコメのほうに力を注ぐべきだったか。とても悔やまれます。むー。

浅見さん(3,17話)
オヤジ高校生(なのに野球少年)という、キャラとしてはちょっと異質な人だったので、絡ませにくかったのです、ごめんなさい。というかリアル知人なので言わせて貰えば、高校生の設定にしないで実年齢でいったほうが、きっと面白かったです。書くほうも。

未樹さん(4話)
名前は出てないけど、本当は9話にも出てます。というわけで、未樹さんも本当は草平の家に遊びに来る常連として書くつもりが、あまりにも話がごちゃごちゃになって書ききれなかったのが残念です。でも、セリフとかは「本当に言いそう」という具体的なイメージで書いたので、許してください…。

しょうさん(4,8話)
悪役希望とのことでしたが、応募内容を見る限り、割といい人そうにおもえて、結局単なる「悪い男」になってしまいました…。物足りなかったらごめんなさい。でも、あの、モテキャラということで許していただけないでしょうか…。ってなんか許しを乞うてばかりでごめんなさい。ああ。

美咲さん(4,8,9,15,19,20話)
いきなりわけのわからない状況に飛び込んでしまう役で、ごめんなさい。でも美咲さんの性格って私と似てそうな気がしたので、書いていて「こんなふうに行動するかなあ」などと、想像しやすかったということで、こんなふうに書きました。や、私の早合点かもしれませんが。

松尾さん(4話)
登場時間は少ないながらも、割と私の中では松尾さんのイメージを上手く書けたような。でも、考えてみたら、お互いかなり酔った状態の時に一度お会いしただけなので、私の中の松尾さん像が間違っているかもしれません…。だったらごめんなさい。未樹さんと社内恋愛させてみたかったです。

かおりんさん(5話)
かおりんさんのイメージは、もんのすごく明るくて、親しみやすい、という感じで。登場は初期にたった一回だったけれど、割とイメージには忠実に書いたつもりです。奈々さんもかおりんと話をして、たぶん少しは気が晴れたと思うよー(と無責任なことを言ってしまうのは、やめようと思う……)。

里美さん(6話)
さりげなく出てきながらも、優希シリーズにおいては流れを展開させるのに割と重要な役どころです。でも、私の中のさとみさんのイメージ自体は、あんまり上手く書けていないような気がしてならない今日この頃……。全然違ったら本当申し訳ないです。ゆるしてください。

りささん(6,17話)
りささんのイメージは、結構私の中では固まっていたんですが、やっぱりどうも上手く書きこなせてないなあ……高校生くらいのノリを忘れちゃってるのかもしれない、とちょっと落ち込みました。でも、青春を謳歌してそうな感じをとりあえず物語に投影してみました。どうでしょう。

佐藤遼太さん(6話)
ほんのちょっとだけ、しかも優希の回想の中にしか出てこないなんて、ごめんなさい。キャラ的にはすごく美味しいと思って、一つでもいいからセリフ言わせたかったんですが、どうも流れがそっちに行かず。今度、佐藤さんで萌え小説とか書いてみたいです(と思ったのは内緒)。

辻幸太郎さん(7話)
ヨゴレ希望にしてもヨゴレすぎていて、物語に全然絡んでいけず、結局「小説の中の噂の中の人」になってしまいました。もう少しうまく絡める方法もあったと思うのですが、本筋からそれてしまいそうで。ごめんなさい。というか普通に本人のキャラでも充分に強いのに…と知人である私は思います。

美喜さん(8話)
名前は出てないけど、4話でしょうさんと歩いているのを目撃されたのも、もちろん美喜さんです。ストーリーが美咲サイドからのものだったので、せっかく個性的そうなステキキャラなのに活かしきれなくてごめんなさい。でも、男を奪うくらい魅力的なキャラです、ということで許してください……。

このみさん(9話)
唯一の中学生キャラということで、ものすごい悩んだ挙句に「近所のコ」という変な役柄になってしまいました。でも、大人たちの中に入っていってちゃんと対等に話せそうなイメージの人なので、それはそれで合ってるかな、と思ってます。うん。 もっと草平くんちに入り浸ってもよかったかも……。

じゅりさん(10話)
もっと美味しく使えるキャラなのに、うまく使えなかったのが悔やまれます。性格的な部分はさりげなく散りばめたのですが、「主人公か冴えた脇役」という希望に沿うことができたかは怪しい……。でも奈々さんはじゅりさんに声をかけてもらったことで、また一歩前に進めたのです(ごまかし)。

ひろさん(10話)
ほんとうにチョイ役としてしか書けなくてごめんなさい。いただいたプロフだけでも、私の中では結構はっきりと人間像が思い浮かんだのですが、それを物語に絡めてうまく活用できませんでした。むしろ主人公くらいやらせても良かったかも……。ああん、悔やまれます。

神田さん(11,12話)
割と親しい友人と言える間柄な上、応募内容も「千村さんの中の僕を書いて」という半ば挑戦状みたいなものだったので、そのとおりに書いてみました。いや、私の中の神田さんはもうちょっとこう、違うところもありますけど。難しいです。セリフなどはそのまんまのつもりなんですが。

白橋さん(11,12話)
年増の学生、という設定をそのまんま使いましたが、なんだか妙に肩に力の入った人、という感じになってしまい、違う違う、私の中での彼女のイメージはこんなんじゃない! と悶えながらも書き進めてしまいました。結果、反省。今度ゆっくりお話しましょうねー(って超私信だ)。

Giboさん(13話)
以前からサイト拝見してましたが、持っていたイメージ通りの応募が来たのが、とても嬉しかったです。で、重要な展開を与える脇役にしたいなあと思ってました。一応私の中ではイメージ通りに書けたと思うのですが、(「よく解らない人」という希望も含め)いかがでしょう。あと、サイト再開待ってます。

ヨウヘイさん(14,21話)
応募内容というよりは、実際に私が知っているヨウヘイさん本人のイメージまんまで書いてみました。わ、この人本当にこういうセリフ言いそう! とか自分で書きながら思ったりしたんですけど、実際はまた違いそうな気もしないでもありません。いかがなものでしょう?

橘さん(14,21話)
リンク非公開希望なのですが、私には以前から拝見していた橘さんのサイトイメージが鮮烈だったので、プロフだけを参考にしようと思いつつも、逆に上手く物語に絡められなかったかもしれません。なんだか、悲しい恋をさせてしまってごめんなさい。でもああいう場面でも我慢強そうなイメージです。

羽塚秦さん(14話)
羽塚さんの場合はプロフから得られる情報が多くて、これも、逆にそれだけで一つの物語になってしまいそうで、上手く絡めることが出来ませんでした。でも頂いた応募内容から受けたイメージはそのまんまに書けました。ちょっと嫌な役どころでしたが…ごめんなさい。

マサキさん(16話)
一番乗りだったのに応募メールに長いこと気付かずにいてごめんなさい。お詫びに、この作中でいちばん偉い(?)人にした上、岡村ちゃんの歌の歌詞を台詞に取り入れて気の利いたことを言わせてみましたが、いかがでしたでしょうか。って、こんなんじゃだめだよなー。ごめんなさい、本当に。

すてはのさん(18話)
そういえばデモテープのタイトル、すてはのさんのサイトから一言拾って勝手に使ってしまいました。承諾も得ずにごめんなさい。でも、おかげさまでご要望どおり、そして私のイメージ通りにかけたのではないかと思います。こういうチョイ役は雰囲気があって、すてはのさんに合ってると思います。

亜衣菜さん(21話)
最終回まで出てこなかったので、「忘れられてる?」と思われてないか心配です。草平を驚かせるために、伊勢くんの彼女を最終回まで出さずにとっておいたのです。物語をもっと早く進行させる予定が、遅くなったために待ちくたびれさせてしまったのではないかと思います。ああ本当にごめんなさい。



こうしてみると、どうも「ごめんなさい」の頻度が高すぎると思います。
今後がんばりますので、本当今回は許してください。