副音声 final edition.
#60 ITS ALL UNDERSTOOD
もしも世界のすべてを知ったなら、私はもう何も必要としないでしょう。
だけど今はまだ、たったこれっぽっちしか知らないのです。
だから、私は言葉を紡ごうと思います。あなたと繋がりたいと思います。そしてそのことを、すごく意味があることだと思います。
#61 NOTHING EVEN MATTERS
あれから随分と時間が経って、今はもう君がどこで何をしているのかも知らないけれど。
ずうっとずうっと昔に、君から言われたあの台詞。
僕はまた、あの時とまったく同じ言葉を、まったく同じ感情でもって、他の誰かにも言わせてしまったから、僕は笑ったよ。
ねえ君も、笑うかな。
僕がまったく成長してないと言って。
それとも、それが僕らしさなのだと、ようやく分かって。
#62 WHO KNOWS WHERE THE TIME GOES
泣きたい気持ちになったんだ。
あの日、やわらかくてあったかくてふたりで感動したタンシチューを食べたあのレストランが、いつのまにかチェーンのカレーショップになってたりする、そういうことに。
過去にこだわるな、過去にこだわっても前に進めない。
君はいつもそう言った。
けどさ、今のこの瞬間だってもう流れて過去になる。明日だって、来週だって、3年後だって、いつか絶対に過去になる。
こだわらずにいたら、前どころかどこにも行けないじゃない。
#63 THERE'S NO OTHER WAY
だけど、もう知ってるんだ。
なにも感じなくなる日なんて、生きてる限りはぜったいに来ない。
そこから一生逃げ回るなんて、根性のないわたしにはできそうもない。
#64 THINGS I'LL NEVER SAY
私は、笑いたいときに笑う。
泣きたいときには泣くし、怒りたいときに怒り、書きたいときだけ書く。
そして、壊れたいときには壊れ、立ち直りたいときに勝手に立ち直る。
いつだったかアナタが教えてくれたとおり、自分の感情に嘘をついたりしない。
もちろん、生活を壊さない範囲内で。
だけど、つらいときにはつらいと言え、という人に、言うべきことは何ひとつありません。
簡単に口に出して言えるようなことなら、私にとってそれは、別につらいことではないのです。
口にしてはいけないということそれ自体が、私にとって一番つらいことなのです。