副音声 final edition.

#65 BLIND

 どんだけ目を閉じて見えないフリしてみたところで、「それ」は確かに私の目の前にあってどうしようもないので、私は目を閉じるのをやめた。

 たったそれだけのことなのだけれど。
 たったそれだけのことを、とてつもなくすごいことだと思ってしまった私は、たいへん愚かでたいへん愛おしい存在だったのだ。

071001

#66 DON'T BELIEVE A WORD

 だってさ、「素直」なんて言葉をわざわざ使わなきゃならないのは、今は素直になれないからじゃないの?

070802

#67 LOVE IS STRANGE

 だけど、忘れないでほしいんだ。
 その諦観すら私の中でちゃんと渦巻いているナマの感情だっていう事実を。

070725

#68 DUST IN THE WIND

 時が経ち、今は笑って話せるけれど、それでもやっぱあの時の気持ちは消えてなんかない。私の中身が変わってしまったわけでもない。
 ただすこし、風化しただけ。

 そこらじゅうの塵をかき集めて、ちょっとの涙を加えて練ってみれば、いつだって同じものが作れることを私は知ってる。

070703

#69 LIVING ON THE EDGE

 わかくてあおくてばかでむちではじしらずでむこうみずでがむしゃらでいっぱいいっぱいでみっともなかった、あのひのわたし。
 いまとなってはじぶんのきおくからけしさってしまいたいほどはずかしいよ。

 だけど。

 あなたにはぜったい、わすれないでいてほしいんだよ。

070605