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0329
知らないうちに人と袖が触れ合って、知らないうちに袖を触れ合わせた人がみんな離れていって、誰も居なくなったかと思えば、またそこに違う誰かが座ってる。そんなことを繰り返していたら、歳をとっていた。
きっとそういうことなんだ。
0328
きれいな夕焼けに、カシスオレンジ。
柔らかい春の夜風に、まろやかな葡萄酒。
上質のアルコールがあれば、上質の飲酒者にもなれる。
そういう日も好き。
けれど、敢えてそうしない日だって好き。
0327
「愛してる」と言えば同じ言葉が返ってくるような。
少し唇を突き出せば自然にキスが降りてくるような。
そんな関係を築き上げてもなお、傷付いたり傷つけたりする毎日は避けられないと言うのだから、まったくニンゲンってのはなんて愚かでなんて可愛いのだろう。
0326
こんなに今週の東京は寒いのに、早まってめいっぱい咲いてしまった桜の花たちのように、はしゃぎすぎて、あるいは真剣になりすぎて、何かを見落としていたことにも気付かないまま突っ走ってきた自分を、たまには振り返ったって良い。その上に今があるということを、自覚したって、良い。
過ちを過ちとも気付かぬ人と、桜の樹の下で瞑想してみたい。
0325
新築の匂いが消える頃、この部屋はどんな風に変わっているだろうか。
そんなこんなの色々な想像をかきたてられながら、ただでさえピカピカのシンクをなお磨き続け、自分の顔がぼんやり映っているのを見つけては、なんとなく笑う。
0322
これが最後だと思ったらもっと寂しくなるのかもしれないけれど、生まれてこのかた、大抵の最後という場面では、最後という実感が湧かないこと自体が寂しいんじゃないかっていう気がしていた。いつもいつもそうだった。
「仰げば尊し」も歌わない卒業式。新しい日々は、眼の前にある。
0321
私の感情の波はとても高く激しい。きみは、まるで熟練のサーファーよろしく、上手に且つ面白そうに波に乗るから、好き。
だけど、時には思うんだ。
波に飲まれて溺れちゃえば良いのに、って。
0320
いつからか、世の中には割り切れないことのほうが圧倒的に多いということを知ってしまった。諦めるという行為を受け入れないと、歳を重ねるほどに人はユウジュウフダンに成ってしまうけれど、やっぱり諦めるのも選び取るのも出来ないから、全部風の赴く侭で。
碧い空に、緩やかな曲線を思い浮かべる。
0319
むかし、とても短くて、強烈に忘れられない恋がありました。
完全に片想いのまま終わったから忘れられないのか、期待できる余地のある片想いだったから終われないのか。もしかしたら、どちらでもない理由によって、あの恋は未だに神聖化されずにいるのかもしれません。甘い思い出は必ずしも美しく成り得ず、美しくなくとも甘すぎるのです。
春が近づくと、急にそのことを思い出したくなります。
0318
みんながみんな、誰のためでもなくあくまで利己的に、それでいてバカバカしいほどマニアックに、他の人には理解して貰えないような自分だけの本当の幸せを、誰に遠慮することもなく、また必要以上に誇る事もなく、ひっそりと自由に追求できるような世界になりますように!
0317
ひとのココロと云うものは。
単純だと思ってかかると、予想外の複雑さに足をとられます。
かといって、複雑だと思って警戒してみると、思いのほか単純なことに肩透かしを食らわされます。
いずれにしても、思い通りになったためしがないものなのです。
0315
来年もきっと春はくるし、来年も花はちゃんと咲くだろう。
だけど、来年の私が、来年のあなたが、一体どこに居て何をしているかなんて、今はさっぱり解らない。今と何も変わらないかもしれないし、今と何もかも違うかもしれない。
だから、今、あなたの隣で花を眺めたい。
0314
連日の高熱の所為で、未だ身体が侭ならないです。
早く会いに行きたいのに。
連日の高熱の所為で、荒れてしまった唇が痛いのです。
今すぐキスしたいのに。
0313
良くある話だと思うけれど、熱にうなされながら眠りに就いた時に、必ず同じ夢を見る。黒くて大きくてうねうねしている圧倒的な重量感のある謎の物体が大量に押し寄せてくるという夢。逃げる事が出来なくて、眼前まで迫ってきたところでハッと目がさめる。
久し振りに、夢が怖くて泣いた。
0312
大切にしたいものが沢山ありすぎて、恋愛に注ぐことのできるパワーが少なくなってしまっているときほど、自分には恋愛が必要不可欠だということを、痛いくらい思い知らされたりするのです。
生命のパワーが衰弱しているときほど、不思議と自分が生きていることを痛感するのと同じように。
0311
久々にかかった、子供みたいな熱風邪。肌にやたらと大きく感じる空気の抵抗。中途半端な次元の世界に浮いているような感覚。身体の栄養になりそうなものと、心の栄養になりそうなものとを摂取する。それから、何種類かの薬を飲んで、夢も見ないでゆっくり寝れば良い。
本当は、しくしく痛む背中を優しく撫でてくれる、君の手がそこにあれば完璧。
0310
この界隈じゃ、いつだって死ぬほどドウデモイイ話ばかり。誰も核心には触れないから、景色や喧騒に同調するように、静かに愛想笑いしていればいい。
本当のトコロ、『世界中の誰もが無駄なことを考える暇も無いくらい恋にトチ狂ってしまえばいいのに』とか考えながら、深く頷いて見せたり、している。
0309
春が来たから、いつもよりも少しゆっくり眠る朝などは、裸の肌で毛布の感触を直接楽しんだり、したいのです。
隣に人の温度が在り、慣れ親しんだ匂いを鼻に感じられるのであれば、尚更あたたかい。
0308
厭なことから逃げ出すための脚力も、要らないものを排除するための腕力も、ボクには必要なかったんだ。
欲しいのは、すべての事ときちんと向き合える勇気。
それから、そうやって感じたいろいろな気持ちを、キミに正確に伝えるための言葉だけ。
0307
とてもとても哀しい夢を見て一人で傷ついた。
夢なのに泣けなかったし、夢なのに悔しかった。
ひょっとしたら、夢だから泣かなかったのかもしれないし、夢だから悔しいのかもしれない。こんな夢を見てしまう自分に苛立つ。
目を覚ましたら、外はバカみたいに良い天気だった。
0306
去年の今ごろ、私は仕事もせずに肉体的には誰よりも自由でありながら、精神的には酷く縛られたような窮屈な思いをしていて、それを全部、春の所為にしていた。
今年の私は、いろいろな仕事や義務がいっぱいで肉体的にはまったく余裕が無いのに、心だけはやけに自由でフワフワして、それを全部、春の所為にしている。
0305
私はそれ以上のものなんて要らないから、望んではいないから、アナタは其処で黙って見ていて。そうして、やけに水面下でバタバタしている私に気付いて、ほんの時々、それと対価のキスをちょうだい。
あと、笑顔も。
0304
とうとう神田川のほとりにまで、咲き始めてしまった桜の花。うらうらとした光の中で春の到来に思いを寄せながらも、季節はずれの栗ご飯を炊いて、そして、頬張って。
もう少しだけ、この時間にしがみついていたい、と思う瞬間もある。
この道を進んでいった先に、どんなに甘い水があったとしても。
0303
1ミリの隙間もないくらい近くに感じることがあるからこそ、ほんの少しの心の距離が、時々妙に耐えがたくなる。
私がいない間に、アナタが私のために用意した苺は、こんなに甘く熟していたのに。
0301
あなたがいくら真摯に尋ねたって、私は答える言葉を持っていないのです。だって、何を望んでいるわけでもないのだから。そして、だからといって何も望んでいないわけではないのだから。
やっぱり、定まらない毎日。
だから、私はまだ今日の運勢なんて気にして生きる。
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