0930
 失うということは、その掌の中から消えることじゃないって、言ってたのに。
 だったら君は、何も失ってなんかいないはずなのに。
 一体、何を失った気になって。一体、いつまで自分で生成する実体のない空虚に怯え続けるんだ?
0927
 そう、世の中には魔法の言葉がいくつもある。
 その一言を付け加えるか付け加えないか、だけで、他人を天国にも地獄にも連れて行くことが出来る、とても強くて、とても優しくて、感覚の麻痺するような鋭い凶器。
0926
 日本でもいよいよ、不健康の象徴みたく迫害されつつある、喫煙者。
 だけど本当は、健康なときほど煙が欲しくなるんだよ。身も心も完璧に健全な人にだって、それはそれで生きにくい世の中なのだから。
0925
 なんだかんだ言いながら、自分は、他人の手なんかによって幸せにはならないってことを、知っています。
 だからといって、自分ひとりでは決して幸せにはなれないことも、知っているのです。
0924
 それ以上どう悩んだって、あんたはあんたの考え方を変えることなんか出来ないくせに。
 一体何の時間が必要だと言うのだろう?
0922
 どうして、夢は時に現実よりもずっと現実的なのだろう。
 驚くようなことでも無い。それは、無意識のうちに慣れ親しんだ、感触とか、温度とか、匂いとかであって、気が付いたら自然と認識できるようになっている、その程度のものなのだから。
 寝起きの頭で考える僕の心は、まだどこか傷ついているのだけれど。
0920
 原因不明の偏頭痛。
 たぶん、どんなに叫んでもコトバに成り得ない気持ちのほうが膨大にあって、身体のほうは無理にでも、その痛みを表面化しようともがいている。
 愛くるしい苦痛に眉をしかめながら、僕は君を想う。
0919
 時間が流れてゆくことだとか、人の心のうつろうことだとか、そういう当然の摂理を、恋人たちというものは、敢えて無視して歩いてゆく。
 敢えて逆らって、隣に居続けようとする。
0918
 君へのモーニングコールの後にする二度寝は、とても良い夢が見られるから、とてもやめられそうにない。
 時間には余裕が無くて、心には余裕のある朝。
 久しぶりに太陽と会えた。
0917
「どうせなら、この身も心も新鮮なうちに切り裂いて欲しいよ。鮮血をそこらじゅうに撒き散らすくらいのパワーがあるうちにね」
「馬鹿だね。たとえどんなになったって、生きてる限りは、その身体も心も新鮮なんだよ」
0912
 たぶん君は笑うだろうけれど。ただ遠く離れていて会えないというだけで、たった一週間が、それはもう、人が生まれてから死ぬまでの時間くらい長く感じるんだ。
 実際に、私の中では今日もまた何かが生まれていくのに。
 君に見せることのないまま、それらは死んでいくのだ。
0911
 たぶん今のこの感情、寂しいだとか、哀しいだとかいうものじゃないと思うんだ。または、切ないだとか、痛いだとか言うのも、きっと違うんだ。
 単に自分の不甲斐なさと直面して、僕は泣いた。
0910
 例えばここに行く先が二つに分かれた道が在り、どちらか片方を選んだら天国で、もう一つは地獄。なんてことは、どう考えたってありえないのだけれど。どっちを選んだって、その先に在るのはただの現実なのだけれど。
 それでも、どうして僕らは一世一代の大博打みたいな顔して迷うんだろう、ね。
0909
 失うものなんて何ひとつ無い、が、いつからか口癖になっていた。実際に、自分は失うほどのものなど持ち合わせていないのだと、どこかで思い込んでしまっていた。
 本当は、何ひとつ失いたくなくてジタバタしている自分から、目を逸らしていただけだったのに。
0908
 あなたの知らない私がどこかにいることと、私のしらないあなたがどこかにいることは、とても平等なことだというのに、どうして私はこんなに悔しくなるんだろう。
 人間って、きっとそういうモノだけど。
0905
 空虚で満たされたココロはやがて膨張して、まるで浮き輪みたいに水に良く浮くようになる。私はそれを抱え込んだまま、その流れに身を任せる。意志を持たない空虚なココロが、右へ左へ、面白いように流れていく。
 泣きそうな位ここちよくて、笑える位かなしい感覚。
0904
 若さを証明するのは年齢ではない。若いということは、精神的に潔癖であるということだ。大人になるということが、決して汚れることというわけではないことに、気が付かないことだ。
 単に、寛容になれば良いのに。誰もが。
0903
 なんだかんだ言いながらも、成り行きには身を任せない。
 思い通りに生きていると思い込んでいる自由と、失敗すれば全て自分のせいでしかないという閉塞感との中で、私は自分の中で激しく自分を追い詰め、また追い詰められてもなお立ち続けることで、バランスを保つ。
 それ自体が恍惚。
0902
 机上の空論にばかりとらわれている毎日。
 そんなこと言ってないで、早く歩き出さなきゃいけないのに、歩き出したいのに、この場所から抜け出せない、もどかしさ。
 0901
 普段は何気なく見ている風景。本当のところ、あまりにもココロに浸透しすぎているから、何気なく見ているのだと気が付いたり。
 地縛霊のキモチが、何となく解ったような気持ちになったり。