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20050131
「別に、失うものなんてなんもないし」
あの頃のあたしにとって、それは口癖だった。自暴自棄気味だったのかもしれないし、自分に絶対の自信を持っていたのかもしれない。どっちかは解らないけれど。
あの退屈な教室の中で、かろうじてそれなりに会話ができたカヨコは、あたしのそのセリフに対してはいつも、ただ歪んだ顔をして笑った。なんで笑うのか、なんで歪むのか、その頃のあたしには、理解できなかった。
本当に失う物がなくなった今なら、解る。
「失うものなんてなんもない」と言える相手がいる、というその事実を、私はもっと大切にしなければいけなかったのだ。
20050124
すー、はー、すー、はー。
ときどき変拍子が紛れ込む、けれどほとんど規則的な誰かの寝息を耳許に聴いているとき、私はいつもその音に自分の呼吸を重ねて悦に入る。
吸……吐……吸……吐……。
頭で考えながら呼吸をしているうちはまだ、ひとつになれないってことくらい解ってるけど。
20050121
恋愛なんて、するもんじゃない。
それは人を盲目にする。相手の欠点が見えなくなるだけじゃない。相手を思うあまり他のことを考えられなくなるし、相手を見つめることばかりにかまけて、まるで心にフィルターがかかってしまったかのように、ほかのものが何も見えなくなる。しまいには自分のことさえ解らなくなって、そして結局は孤独だってことに気づくんだわ。
だから私は、恋愛なんて、もう二度としたくないの。
そう言い放った彼女が、あたしは正直、羨ましかった。だって、そこまで盲目になれるほどの恋愛なんて、そうそう出会えるもんじゃない。
20050108
君からの手紙について、ときどき考える
僕が今までに君からもらったそれはたったふたつで
ひとつは愛の言葉が外国語で書かれたクリスマスカード
もうひとつは
僕の知らない誰かと結婚したときの笑顔の写真
あれから何年経ったのか忘れてしまったし
僕は少なくとも3回は住所を変えていて
いま君がどこでどんなふうに暮らしているのかも知らない
それなのに
イベントをとても大切にする律儀な君のことだから
忘れたころに、ふわりと
「あけましておめでとう」って言葉を送ってくるんじゃないかなんて
今でも期待のような覚悟のような
そんな気持ちをどこかに隠し持っている自分に
少しだけ、ほんの少しだけ、呆れたりするよ
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