東京文芸センター20号後記
 
 眠れない、夜。

 本当は、ただ蒸し暑くて寝苦しいだけの夜なのかもしれない。あるいは、しとしとと降り続ける雨の音が、とても耳障りだったのかもしれない。だけどそれよりも、もうそこまで迫ってきている夏を、今か今かと待ちかねているような感覚に似ているように思う。少なくとも、そう思い込んだほうが、蒸し暑さや雨の音に苛々しない。楽しい気持ちで、私は来る夏を待つことが出来るのだ。

 それは、まるで子供の頃の遠足の前夜の気持ちに似ているのだけれど、それとは決定的に違っていることを、私は知っている。なぜなら、明日は何の日でもないからだ。通常通り、適当な時間に起きて、特に変わり映えの無い仕事をこなすウィークデイ。一体それの何処がそんなに退屈か、何も知らない人には事細かに説明できるくらい、私はその退屈さを認識しているはずなのだ。

 それなのに、私はやっぱりドキドキして堪らない。
 それは、毎日が平凡であればあるほど、ほんの少しの力でどうにでも変えていけそうな気がするからなのかもしれない。

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 月刊でお送りしている東京文芸センターも、20号を迎えました。

 創刊時とはまったく違うサイトと言っても良いくらい、変わってしまった当サイトですが、自分たちこそが飽くことの無いように、これからも変わっていきたいと思います。皆様に気に入っていただけるかどうかは解りませんが、今回も、新たにコンテンツを加えてみました。
 変わるということは必然です。だけど、私たちは「書くことと読むことが好きな人へ」というコンセプトだけは、いつも変わらない東京文芸センターでありたいと思っています。(2002/05/31頃)