作詞家というものは
 
 作詞家というものについて。
 作詞家というとなにやら偉そうですが、全然そんなことありません。作詞家はアーティストではありません。この仕事は、単に歌い手さんのイメージ作りを言葉によってお手伝いするだけの存在です。どちらかと言えば「詩人」よりも、「コピーライター」に近いと思います。私は駆け出しなので尚その傾向が強いですが、詞を書くのがつんくだろうが小室哲也だろうが秋元康だろうが(endless)、企業にとっての商品は歌い手さん以外の何物でもありません。そのたった一人の歌い手さんを売るために、曲や詞を作り、写真を撮影し、映像を撮影し、空間を設定したりするわけで、そこには物凄い人数の各ジャンルにおけるプロが関わっており、作詞家はその中の一つに過ぎません。
 作詞家に求められているスキルは、少々の音楽の能力(経験)と、ボキャブラリー、それに企業(あるいは社会)が求めるイメージを理解する脳味噌だけです。あとは、忍耐力。
 もし自分が思ったような詞を書きたいと思ったら、シンガーソングライターになって、自分のキャラクターをそのまま世に売り出してくれるプロダクションを探すか、または自分のイメージどおりに歌ってくれる歌い手さんを探して、自分でインディーズのレーベルか何かを立ち上げて売り出すしかありませんが、どちらも思い通りに行く可能性は低いです。その詞に余程のカリスマ性でもあれば別の話ですが、そういった場合は既に成功しているでしょう。
 別に偉そうな事を言おうと思って書いているのではありませんが、とある「作詞家になりたい」という人が集まるWeb上のコミュニティを見て、何となくそんなことを考えたので、書きました。(2001/07/23)