眠れない日々
 
 私は今、4つのサイトにデイリーテキストを書いている。
 ちょっと笑える日常のエピソードを軽い気持ちで書ける場所。ごく親しい人との内輪話を中心に楽しむ場所。「日記」という言葉の意味に最も近い日記を書く場所(とは言え、そこは誰にも教えていない上に、厳重にもパスワードまでかけているから、ネットテキストとは違うかもしれない)。そして、創作の断片としての短文を置く場所である「花唄」で、4つ。この他に、小説を月に一定の分量以上書いたり、仕事が来れば歌の詞も週に何本か書いていることを考えたら、割と尋常ではない。
 私は、どこかネジが一本外れてしまったのかもしれない、とも思う。もし誰にも見られなくても、私は自分にそれくらいの日々の使い分けを必要としていたと思う。何がそうさせるのか解らない。

 私には、書こうと思っても何も書けない時期があった。大学を卒業した辺りから二年ほどの期間だ。この間に、新しい小説は1000字程度の超短篇を1本しか書いていない。あとは、何も書いていないという焦りから、昔に書いたのを直すことで何かを書いているきになっていた。作詞もこのころに始めたけれど、月に一本書いただろうかという程度。書こうと思っても何も思い浮かばなかったし、言葉が出てこなかった。もちろん、デイリーテキストも書いていなかった。中学に入ったときから続けていた普通の日記(紙とペンを使ったもの)も、大学を卒業した途端、書かなくなった。
 今思うと、その頃の私は小説のほかにも、一体毎日何をしていたのか思い出せない。初めての一人暮らし(其処には当時の恋人が常駐していたが)、初めての就職、初めての給料、初めての自活。不満も沢山あったし、実際に体を壊すほどに神経性ダメージを受けたり、転職もした。泥酔も滅多にせず、浮気もせず、無茶もせず。時々は友達と会って、時々は旅行をして、それらは思い出されないわけではないのだけれど、まるで現実感がない。
 強いて言えば、毎日が安定していた。平坦だった。

 だからといって、今が色鮮やかで、もうとにかく毎日がスペシャルかというとそういうわけでもないのだけれど、ここ一年程は本当に泣いたり笑ったり怒ったりの激しい毎日の繰り返しだった。勿論、単に最高の日々というわけでも、単に最悪の日々というわけでもなく。
 今は本当に、ただ全力で駆け抜けている感が強い。
 毎日どんなに疲れていても、よく眠る事もできない。(2001/10/23)